Category Archives: Review

ブライアン・イーノのアプリが出てた

Music For Airports
Brian EnoのMusic For Airportsといえば高校生の時から延々聞いてきた僕の青春そのもの。そのMusic For Airportsが、「Endless ‘Music For Airports’」というコンセプトのもとiPhoneアプリ化された。

Air
このAirはMusic For Airportsの曲調をランダムにジェネレートしてくれて、文字どうりエンドレスで流してくれる。

Trope
あと、アプリ的にはTropeの方が多様な曲が生成できて面白い。これは当分普通の曲いらないレベル。

久保田先生もおっしゃってたけど、このAirとか、Bloomみたいに曲を楽譜じゃなくてアルゴリズムで表現するっていうのは面白い。
今後こういうアプリが増えれば、そのうち曲って言葉が、音符で固定化された静的なものじゃなくて、アルゴリズムによって生成される動的なものを指すようになったりして。そうすりゃ一般の人のジェネレイティブアートへの理解が進むのにのなぁ。

「日本電産永守イズムの挑戦」を読んでみた

日本電産永守イズムの挑戦」を読んでみた。

日本電産永守イズムの挑戦

この本は一代で年商6000億円の企業を築いた日本電産の創業社長永守重信の個人史と、三協精機製作所の再建までのドキュメンタリで追った本。

日本電産に関しては、B2Bでやってる会社だから名前も知らなかった。ちょっと前に見たカンブリア宮殿に社長の永守さんが出演されていて、とてもおもしろい方だなぁと興味を持ったのでこの本を手に取ってみた。

色々と永守さんのすごいエピソードが出てくるんだけど、この人、高校生の時に塾を開業して地元の中学生を集めてかなりの実績を上げてたらしい。それで当時の大卒の初任給ほどの収入を得てたとか。しかもさらにその資金を元手に株式投資を始めてさらに一山儲けたらしい。授業中もずっとラジオを聞いて株価の変動を追ってたって…。

永守さんはM&Aのプロと呼ばれるだけあって企業、人を見る目がずば抜けている。
例えば、かつて日本電産の入社試験で早飯試験を実施したという。どういう試験かというと、受験者に「試験の前にまずゆっくり昼ご飯を食べてください。」と伝え、その中で15分以内で食べ終わった人を採用するというもの。これは義父から聞いた「戦時中に活躍したのは早飯、早風呂だったやつだ」という言葉が発想の元になっている。
後にこれについて講演で次のように述べている。

「早食いで入社した社員が東京大学から博士号をもらい、特許も200件持っているなど、世界に冠たる開発をしています。今でも五年たってから新入社員の成績表を開けてみると、会社に入ってからの実力と学校の成績がいかに関係ないかが分かります。」

その他にも人間の本質的な能力を指摘する発言をされています。

「人間の能力の差は5倍しかない。人間の知能とか経験とか知識なんて物は、そこそこの会社の社員であれば5倍もないのです。(中略)しかし意識には100倍の差がある。実際は100倍以上ですな、おそらく。従って頭のいい人を取るよりも、意識の高い人をとった方がうんと会社がよくなります。」

結果はその人の能力よりも意識の方に付随する、ということだと思う。もちろん永守さん自信の意識はとても高く、2010年に日本電産の売上高1兆円を掲げ、達成間近。さらに2030年には10兆円を達成することを公言されている。それについても本書の中で語っている。

「夢を形にするのが経営ですが、その夢の前にホラ。それも大ボラ、中ボラ、小ボラと変化して夢に辿り着く。夢まで来れば現実化するのは時間の問題です。ただ、2030年の売上高10兆円は現在のところ大ボラそのものですが…。」

どんな大きなこともまず口にすることから始まるということで、それを実現する為には徐々にその解像度を上げて行かなくてはいけないということだと思う。

このように永守さんの言葉はとにかく強く、色々と考えさせられる。
個人的な話だけど、最近少人数ながら人を束ねて活動をする機会があって色々と悩みが溜まってきているんだけど、この本を読んでわずかながら前向きに考えられるようになってきた。人を動かす時はもっと長期的な視点で考えなければいけないんだなぁと反省した。

後は文中で気になった発言。

Continue reading

「レバレッジ人脈術」を読んでみた

レバレッジコンサルティングの本田直之さんの「レバレッジ人脈術」を読んでみた。

レバレッジ人脈術

この本はよくある人脈作りのハウツー本ではなく、築いた人脈をどう活かすかということに重点を置いて書かれている。

起業を考えてる人がサラリーマンに相談すると否定的な意見しかもらえないが、経営者の友人に相談すると「企業する方がラク」、「リスクも少ない」といった反応が返ってくる。世界観、人生観がまるで違う。

という例を挙げ、自分の価値観にあった仲間を見つけ、ともに意識を高めあうということをこの人脈術の目的に挙げている。

あと注意点として、有名人と名刺交換をして「強い人脈」を得たと満足するのは間違いで、実際は自分のレベルよりも高い仕事をされている方には、こちらから貢献出来る事は少ないので何かを教えてもらうだけ、という一方的な関係になってしまい、あまり長続きしないと書かれている。

本当に価値のある人脈というのは頼ったりお願いするだけではなくコントリビューションで関係を深めあいながら切磋琢磨し、関わった全員が相乗効果を得るというのが理想として考えているよう。

今までは人脈を広げることを遠回りだと思ってたから割と消極的だったんだけど、こういう手段を経て切磋琢磨できる環境を整えることで結果的には自分の成長速度を上げられるんだなぁと思った。今後は自分の「環境」の概念の構成要素に「人脈」というのもひとつ考慮に入れて色々と再検討してみようと思う。

以下文中で引用されていた格言。

「成功に秘訣という物があるとすれば、それは、他人の立場を理解し、自分の立場と同時に、他人の立場からも物事を見ることの出来る能力である。」
―ヘンリー・フォード

「世の中の人は一年で出来ることを多く見積もりすぎる一方、五年で出来ることを少なく見積もりすぎている。」
―P. F. ドラッカー

「『”熱”のある場所に自らを持っていく』ことである。それは急成長している会社かもしれないし、何かの目標に向かって勉強している人達が集まる学校のようなところかもしれない。”熱”のある場所に行くようにすれば、そこから”熱”をもらってくることができるものなのだ」
―田中和彦

「考える技術 発想する方法」読んでみた

考える技術 発想する方法

以前読んだ「アイデアのつくり方」で、アイディアっていうのは漠然と急に思い浮かぶものではなく自分の中に蓄積されたものの中から生まれてくるものだということを学んだ。

アイデアのつくり方」ではそこまでだったけど、この本ではさらに掘り下げて、アイディアを思いつくための素材収集、素材の整理、そのアイディアを活かす対象を明確化する方法が書かれている。

アイディア出しみたいな一見感覚的な作業を、論理的に行う方法が解説してあるので、わりと論理的にしか思考がまわらない自分としては目からうろこな方法論が盛りだくさんだった。

※前回朦朧とした状態で書いてたので見直したら文章が支離滅裂だったので書き直しました。

「文字は語る」を読んでみた

文字は語る

文字は語る ─ デザインの前に耳を傾けるべきこと」を読んでみた。

Continue reading

平面デザインの勉強本まとめ

予備校時代に読んだ勉強本まとめ。
平面デザインの大学を目指して勉強してたので基本的にはそっち系ばっか。

という事で多摩美のグラフィックデザイン科を志す受験生に送る。

Continue reading

「デザインの教室 手を動かして学ぶデザイントレーニング」を読んでみた


デザインの教室

最近自分のレイアウトがダメダメすぎるのに気付いたので、復習も兼ねてとっつきやすそうな「デザインの教室~」を読んでみた。

Continue reading

「タイポグラフィ・タイプフェイスの現在」を読んでみた

タイポグラフィ・タイプフェイスの現在

さっきバイト帰りの電車で「タイポグラフィ・タイプフェイスの現在」を読み終えた。この本は女子美で行われた講演録をもとに書かれてる。
講演をされた方は小塚明朝小塚ゴシックの小塚さんやヒラギノの鳥海さん他、タイプデザイナー、タイポグラファー合わせて8名(詳しくはこちら)。

Continue reading

Webデザインの「プロだから考えること」を読んでみた

Webデザインの「プロだから考えること」

遅ればせながらWebデザインの「プロだから考えること」を読み終えた。

Continue reading

「デザインの現場BOOK タイポグラフィ」を読んでみた

0804131403.jpg

内容的にはタイポグラフィの基礎知識の紹介と、各デザイナーの仕事の中でのタイポの考え方、扱い方の紹介。

タイポグラフィに関して素人の自分でも十分理解できる簡単な入門書。欧文書体の基礎知識に関しては以前に読んだ小林章の「欧文書体」とほとんど内容がかぶってたけど、和文の基礎知識はためになった。

あと、中に出てくる菊地信義の装丁が神すぎてヨダレでた。やっぱりああいう硬いデザイン好きだなぁ俺。
去年うちの学校に特別講義で来てたけど装丁に興味なかったからスルーしてた。今年は要チェック。

とにかく技術レベルのタイポグラフィの話と、現場で扱う上でのタイポグラフィの両方の側面が分かるからおすすめ。
割と薄い本だからサクッと読めるしね。