Illustratorを使ってる学内の人にInDesignの説明をした時のメモ。細かい操作の仕方はともかく、InDesign内の概念の説明に重きを置いた。
1. InDesignとIllustratorの違い
A. Illustrator
一枚物を制作するのに特化。例、ポスター、フライヤー、ジャケット等
→ 得意
・柔軟にパスが扱える(ブレンド、パスフィルタ等)
・画像もある程度加工できる
→ 苦手
・データの使い回し(書式、サイズ、配置等)
・大量のオブジェクト(パス、画像)を配置すると処理が重くなる
→ コンセプト
・入れ物(デザイン)と中身(情報)を同時に扱う … デザインとコンテンツの融和
B. InDesign
ページ物を制作するのに特化。例、本 / 雑誌、プレゼンシート等
→ 得意
・データの使い回し(書式、サイズ、配置等)
・大量のオブジェクト(パス、画像)を配置してもサクサク動く
・詳細な文字設定(約物ごとのスペーシング、禁則処理の定義)
・外部データの流し込み(テキストファイル、表ファイル、xmlファイル等)
・分業化(ブック機能)
・入稿データのチェック(プリフライト)
→ 苦手
・細かいパスの操作
・画像データの操作
→ コンセプト
・入れ物(デザイン)を作ってから中身(情報)を流し込む … デザインとコンテンツの分離
2. InDesign概要
A. ページ
複数ページを一つのファイルで管理。
B. マスターページ
ノンブル、柱の他、共通のフレームやオブジェクトをあらかじめ配置しておき各ページに適用する。
※マスターページに配置したフレームに固有のテキストを流し込む場合は Cmd+Shift(Ctrl+Shift)を押しながらフレームを選択。
→ マルチプルマスターページ … マスターページを適用したマスターページ。親マスターページの変更も反映される。
C. フレーム
→ グラフィックフレーム … 画像を流し込むフレーム。クリッピングマスクのようなもの。
→ テキストフレーム
・プレーンテキストフレーム … 書式を持たないフレーム。ペーストしたテキストの書式は維持される。
・フレームグリッド … 書式を持つフレーム。ペーストしたテキストの書式は破棄される。
D. スタイル
保存できる書式。スタイルは各スタイルパネルに保存してクリックだけで呼び出せる。
→ 段落スタイル … 段落単位で適用できるスタイル。
→ 文字スタイル … 文字単位で適用できるスタイル。
→ その他
・先頭文字スタイル … 行の1文字目だけに適用できるスタイル。
・正規表現スタイル … 指定文字列に適用できるスタイル。
・オブジェクトスタイル … 書式ではなくオブジェクトの塗り、線の太さ、フィルタ情報をスタイルとして保存できる。
E. 配置
対応ファイルフォーマットは ai、psd、pdf、jpg、gif、png、tiff、eps等。
F. ブック
複数のInDesignファイル(indd)を管理するファイルデータ(indb)。
管理しているファイル内のページ数を連動させたり、同名スタイル、同名マスターページの同期がとれる。
G. プリフライト
カラーモード、配置画像、テキストあふれ等の一括チェック。
H. 出力
→ PDF
1ページ、見開き、中綴じ等に対応。
※1ページ1ファイルでは書き出せないのでpdfをAcrobatで分割する。