※ネタバレを少し含むので注意されたし。
#5 クロニクル
ある出来事をきっかけに超能力を身につけた主人公のドキュメンタリー、という設定の作品。
倒すべき敵が登場したり、誰かを救ったりみたいなこの手の作品にありがちな展開じゃなく、超能力に翻弄される人間の生活が淡々と描かれてく。
この手の映画には珍しくリアリティがあって、全体としてあんまり見たことのない作品になってる。
#4 桐島、部活やめるってよ
とある高校の何気ない日常を舞台にした前半部分。ところが桐島が部活を辞めるっていう出来事をきっかけにこれまでの日常が崩壊しはじめる。
ありがちな学園ドラマと思わせときながら、後半からのドミノ倒し的な展開で、学校の中の見えない食物連鎖のようなシステムを露呈させていく手法がすごかった。
#3 板尾創路の脱獄王
ストーリーは長いフリとオチというシンプルな構造。オチに向かって繰り返される脱獄のループ、脱獄のための仕込みを繰り返すループ。シンプルな構造にこの二つのループで厚みを持たせることで、グッと引き込むっていう作りがすごい。
#2 シュガー・ラッシュ
レトロゲームの抑揚のないモーションを、ディズニー的解釈によって脚色されたアニメーションがものすごく気持ちよくて、ストーリーよりも表現が印象に残る作品だった。
#1 ドッグヴィル
この作品は建物が床に描かれた線のみで表現されてるので、壁がカメラを遮ることがない。だから村で起こる出来事は常に同時進行的に写される。
建物の中でショッキングな事件が起こるシーンでも、背景ではほのぼのと日常をおくる村人の様子が同時に描かれる。この非日常と日常のコントラストのせいで作品の異常性が増長されてる。この特異な表現がちゃんと作品のテーマと結び付いて、すごいインパクトのある作品になってた。