2012年よかったランキング – ムービー編

すでに2013年も1/4が終わろうというさなか、超主観で2012年に出会ったものをランキングで振り返ってみるテスト3本目、ムービー編。

#10 16mm Phantasmagoria (2001-2010) on Vimeo

個人的に、表現における表面的な質感というものを懐疑的に捉えているところがあるんだけど、この作品のフィルムの質感を見て少し許せるようになった。あと、ちょうど夏ごろに行ったカンボジアの思い出ともあいまって少しノスタルジックな気分にもなったり。

#9 Krizovatka – Love – YouTube

人の善意がひたすら連鎖していくという映像の構造もさることながら、その善意の総体が織りなす「人間っていいよね」的な幸福感にも似た気持ちよさがある。

#8 Isaac's Live Lip-Dub Proposal – YouTube

ありがちな素人が撮ったプロポーズ動画と思いきや、いろいろと手が込んでいて感心した。
大きなところでは、鑑賞者を車で運ぶことで背景が動かし続け、パフォーマンスの単調さをうまく解消してる。こういうことをやろうとすると、まずは背景側をなんとか動かそうと考えそうなものだけど、逆転の発想的に鑑賞者を動かしてしまえってところが新しい。
細かいところで言うと、ダンスのウマいお姉ちゃんに目立つ色の赤い服を着させてフォーカスを奪うことで、素人の中途半端なクオリティのダンスをなんとなくゴマかしてるあたり結構手が込んでるなぁと思いました。

#7 TextureWorld – YouTube

「動き」のみで「形」を表現する方法。目から鱗が落ちた。

#6 完成版 ニュ~東京音頭 NEW TOKYO ONDO – YouTube

手描きアニメーションでは手間のかかる空間的なカメラワークや、高フレームレートによって密度のあるスピード感を感じる。作品解説にもある通り、デジタルツールのみでストイックにモーションを作るこんでいるらしく、察するにデビッド・オライリーにインスパイアされていそう。
(デビッド・オライリーのThe External Worldと、Please Say Somethingも名作なのでぜひ)

#5 MOVE on Vimeo

表現方法としてはわりとありがちながら、構成とテーマが素晴らしく、この手の作品の代表格的なポジションを築いた感がある。

#4 Robot readable world on Vimeo

画像解析によってコンピューターが見ている世界をビジュアライズした映像を集めた作品。なによりも映像にオーバーラップされる、コンピューターが知覚した情報の無機質な痕跡がグラフィカルでカッコイイ。

#3 Japan tron dance – YouTube

擬似的に姿を消したり、現したりする事で空間を自由に移動しているように見せている。またその応用によってマンガの様な時間軸を無視したアニメーションを作っている。
昨今の技術の進歩によりコンパクトな装置で電飾をリモートで操作できるようになったことで可能になった表現手法かと。

#2 High Five FAIL Compilation 2011 – YouTube

ハイタッチをしようと構えた人がスルーされてしまう様子をひたすら集めた作品。ひとつひとつのシチュエーションから漂ってくるほんのりとした哀愁が徐々に増幅して笑いのしきい値を超えてくる。

#1 「HAPPY BOGEYS」クリハラタカシ – YouTube

ひたすら奇怪な形状の生物が画面を横切っていくだけのアニメーションなのだけれども、その形状に最適化された動きがとても気持ちいい。