Webデザインの「プロだから考えること」を読んでみた

Webデザインの「プロだから考えること」

遅ればせながらWebデザインの「プロだから考えること」を読み終えた。

この本ではspfdesignの鎌田貴史さんを筆頭にした7名のWebデザイナーが執筆に参加してる(詳しくはこちら)。
Webデザイン関係の本でよくあるチップス的な内容じゃなくて、コンセプトメイキングやアイデアの着想から落とし込みなど、製作に至るまでの経緯を本人達の体験談を踏まえつつ書いている。

全編通して語られてるのは、Webサイトを通してメッセージを人にどう伝えるかって事だと思う。
恐らくWebデザインというのは完成するまでに多大な技術と労力がいる為に、コンセプトやメッセージがその製作の過程で抜け落ちて、気が付けば仕様どおりなだけのサイトが完成してしまい、結局何が言いたいのかよく分からないようになってしまう事が多いんだろう。
それを防ぐためにできる努力や工夫を三者三様の観点から書いている。

これを読んで、やっぱりWebデザインといえども広告として製作する場合はコンセプトドリブンであるべきで、決して技術先行ではないんだという事を再確認した。

あと個人的に第2章の中村洋基さんの話がとても面白かった。
特にはじめのサクセスストーリーにある、カンヌで得たノウハウをWebに持ち込んでから「賞取りサイボーグ」になったって話は感心。
一度カンヌで見た世界の広告から、広告そのものの本質を見抜いてさらにそれをWebに持ち込めるように変容できるってのはすげい事だと思う。
代理店から来てる大学の講師が言ってた中村君は「天才って言われてるよ。」って話もなんか分かる気がする。