データマーケティング

データを使ったマーケティングによって興味深い結果を生み出した事例をいくつか目にしたので、その雑感。

まずはウェザーニューズが気象庁のデータにユーザーからの天気レポートを盛り込んだ結果、予報の精度が気象庁を超えたという例。
気象庁の大雪予報が外れた日、ウェザーニューズはなぜ、「雨」を予報できたのか (1/2) – ITmedia Mobile

次にネットフリックスのログデータから推測される、ユーザーが望む台本とキャスティングでドラマを作ったら大ヒットしたという例。
米国テレビ業界を震撼させたネットドラマ 視聴者のお望み通りに制作して大ヒット

あとは、先ごろの大統領選において、オバマ陣営がデータから票を集めたい層に最も影響を持つタレントをはじきだし、広告塔として採用したという話。結果はご周知の通り。
バラク・オバマ版『マネーボール』 大統領選勝利の鍵はビッグデータの徹底活用 – ZDNet Japan

一方でデータに振り回された結果、日本のテレビや、Googleのデザインの質が落ちていったという話もあるので、重要なのはこういった局所的なデータよりも、人間が考察する余地のある大局的なデータなのかなぁと。

テレビがつまらなくなった理由

感性によるデザイン データによるデザイン : could

2012年よかったランキング – マンガ編

2012年の思い出にひたるべく、超主観で2012年に出会ったものをランキングで振り返ってみるテスト2本目、マンガ編。

#5 星を継ぐもの / 星野之宣(全4巻 完結)
http://amzn.to/VuUBvz
この↓あおり文を読んだだけで相当期待ふくらむはず。
「西暦205X年、月で深紅の宇宙服をまとった死体が発見された。だが、どれほど歴史をさかのぼっても該当者は見当たらない。そして誰も予見しない驚愕の事実が浮かび上がる。遺体はなんと5万年も前のものと鑑定されたのだ!」
いかがでしょう?

#4 2001年夜物語 / 星野之宣(全3巻 完結)
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これだけスケールのどでかい世界観の中、ふつうにドンチャンやるだけでも十分満足できる内容なのに、ご丁寧に散りばめられた伏線もきちんと回収していくという週刊連載な作品では味わえない小説のような密度感。

#3 新説ザ・ワールド・イズ・マイン / 新井英樹(全5巻 完結)
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同じ時間軸の離れた空間で全く無関係に進む、二人組の男「トシモン」のストーリーと、巨大生物「ヒグマドン」に関わる人たちのストーリー。この2つのストーリーがつかず離れず微妙な距離感を保ちつつ進行する。2つのストーリーがどう交わるのかという期待を刺激しつつも、最終的にそんなちっちぇえことどうでもええんや…と思わせるぶっ飛んだ締め括りにシビれた。
単純にこういう構成が新鮮だったっていうのはある。

#2 冒険エレキテ島 / 鶴田謙二 (全1巻)
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ラピュタの「空に浮いた島がある」という設定だけでご飯3杯は食べれるぐらい「未知の島」フェチなのでこの作品の設定にも相当グッときた。概要は↓あおり文の通り。
「複葉機・ソードフィッシュを駆り、離島で空輸業を営む快活な女パイロット・御蔵みくらは、祖父の遺品から幻のエレキテ島の存在を知る。そして、重なった偶然によってその島に遭遇したのだが・・・。」
この第1巻ではエレキテ島と祖父の関係が明らかになるシーンがピーク。ギュンギュンくる。しばらく休載していて最近連載が再開したようなので続刊に期待。

#1 ラッキーボギー / クリハラタカシ (全1巻)
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とにかく登場するキャラクターが気持ちよすぎる。メインのキャラクターに限らず、バックにいる脇役キャラまでも。キャラクターの形状がものすごくよくできていて、どのように動く生き物なのか一枚絵ですごく伝わってくる。その動きがまた気持ちいい。同じ作者のアニメーション作品を見てもらえばその魅力が伝わることと思う。

その他のよかったランキング
2012年よかったランキング – ウェブサイト編

2012年よかったランキング – ウェブサイト編

2012年の思い出にひたるべく、超主観で2012年に出会ったものをランキングで振り返ってみるテスト、ウェブサイト編。

#5. Little Big Details
http://littlebigdetails.com/
いろんなサイトの細かすぎて伝わらないデザイン集。ささやかな気遣い。
こういうの見てるとインターフェイスデザインってつくづくサービス業だなぁとか思う。

#4. Kern Type
http://type.method.ac/
Mark MacKayさんの作ったデザインスキル判定ゲームの第1弾。フォントのカーニングゲーム。Adobeのデザインツールのショートカットを再現していたりして本気でカーニングせざるを得ない作りがナイス。フォントのレンダリングをsvgで制御していたりとモダンな実装。

#3. Qonversations
http://qonversations.net/
左上のロゴが呼吸するようにゆっくり拡縮している。このロゴのサイズは定期的にクッキーに保存されていて、ページをまたいでもアニメーションのシークエンスが途切れないように設計されている模様。ロゴ1つがここまで作りこまれているのはステキ。

#2. Vincent Gallo Vincent Gallo Vincent Gallo
http://vgvgvg.vg/
一見ローテクなサイトに見えつつも、画像はGoogleの画像検索から取得し、サーバーでノイズをまぶして全体のトーンをそろえつつ、13:20の長方形を基調にしたグリッドにレイアウトし、さらに低速回線で徐々に読み込まれるようなアニメーションをシミュレートしているという芸の細かさ。vgvgvg.vgというドメインもセクシー。

#1. Nerhol
http://www.nerhol.com/
スクロールに連動したロゴの挙動がステキ。
あと、作品は独自のページで見せて、細かい情報はFacebookでっていうのが今どきのポートフォリオサイトの形としてとてもしっくりきた。勉強になります。

その他のよかったランキング
2012年よかったランキング – マンガ編

MUJI HOME MADE

お仕事でMUJI HOME MADEのスペシャルサイトを作りました。サイト内では有楽町店のジオラマが24時間Liveで配信されています。

配信にはUstreamのFlash APIを使ってるんですがこのAPI、ドキュメントがクソ不親切でして色々と手探りで実装しました。そのあたりの詳細はこちら

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Ustream Flash APIの使い方

UstreamのFlash Client APIのドキュメントがこんな状態でかなり不親切でして、色々と苦心したので今後の為にメモ。

Ustream Client APIを使う時は、まずAPIを操作するClassの定義が詰まったswfを直接Ustream(http://www.ustream.tv/flash/viewer.rsl.swf)から読み込む。そしてこのswfの中のClassを使ってゴニョゴニョする。
ローカルで実行する時はあらかじめ「viewer.rsl.swf」をローカルにダウンロードしておき、これを読み込んで使う。
※読み込む配信チャンネルが有料のアドフリーアカウントでない場合、www.ustream.tvからviewer.rsl.swfを読み込むと、ビデオ内広告用のデータが読み込まれる。このビデオ内広告がエラーを吐いており、Flashが停止してしまう(2012.12.07時点)。無料アカウントでテストする時は注意。

viewer.rsl.swf、viewer.rsl.swc等はここから一式ダウンロードできる。

自分がこのAPIを使った時は、API(Logicクラス)を叩く処理をUstreamPlayerクラス(仮)というクラスに封じ込めておいた。このUstreamPlayerクラスを直にnewしてしまうとUstreamPlayer内で参照しているローカルのswcを呼んでしまうため、getDefinitionByNameを使ってインスタンス化する。こうすればviewer.rsl.swcを外部ライブラリ(swfには含めない)として参照することができるので、オンラインのviewer.rsl.swfと、ローカルのviewer.rsl.swfの内部の挙動が違っていてもエラーは出なくなる(ハズ)。

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Brother PRIVIO

お仕事でBrotherのPRIVIOのスペシャルサイトを作りました。キービジュアルのCMYKのドットが音楽に合わせてぷよぷよ動きまわります。
詳細はこのあたりをば。

Art Direction: Yugo Nakamura (tha ltd.)
Design / Program: Naoki Nishimura (tha ltd.)
Project Management: Natsuko Kanno (Dentsu Razorfish)
Music: HIFANA
Music Production: MELODY PUNCH

ビックロベーダー

お仕事でソーシャルシューティングゲーム、ビックロベーダー(PC版)を作りました。
FacebookやTwitterにログインしてプレイすると友達がアイテムとして登場して楽しーっていうゲームです。
Stage3Dをガリガリ使って作ってるのでハイスペックめな環境でプレイしてみて下さーい。

クレジット:
Art Direction: Yugo Nakamura (tha ltd.)
Design + Flash: Naoki Nishimura (tha ltd.)
Engineering: Keiji Hokamura (tha ltd.)
Logo Design: Taro Yumiba (tha ltd.)
Music: FPM
SE: 株式会社フルメタル・モンキーズ

というわけで上でも書いた通り今回はStage3D(Away3D)を使って作ってます。

なにぶん商業案件なので、FlashPlayer11以上で、Stage3Dが動かない、もしくは、ソフトウェアレンダリングで動いてしまった時にごめんなさいアラートを出してます。
そん時に使ったStage3D環境判定用のクラスがこれ。
Stage3Dが使えるかどうかと、ソフトウェアレンダリングになってるかどうかを判定するクラスです。

↓使い方

で、ログによるとこのアラートが表示されたのは全体のアクセスの中で1.2%とのこと(2012/9/27現在)。
なのでFlashPlayer11以上が入ってて、サイトが表示できた人はだいたいStage3Dが動くみたい。

そんな感じ。

YouTubeにアップロードした動画の広告を非表示にする方法

自分がYouTubeにアップロードした動画に表示される各種広告がウザいので調べてみた。動画が始まる前に再生される動画(TrueViewインストリーム広告)や、動画の下からポコッと出てくるバナー(InVideo広告)を出なくする方法。(2012.07.06時点)

自分のアカウントの設定→デフォルトの「収益を受け取りを有効にする」のチェックを外す。一応「広告フォーマット」の項目も全てチェックを外しておく。

この状態で広告が出なくはなったものの念のために動画の編集ページに飛んで「収益受け取り」タブを表示して「動画の収益化」をオフ。

YouTube内での設定項目はアカウントによって違うこともあるようでこの通りではないけども、要はアカウントの収益受け取りをオフにして、動画の収益化をオフにすれば広告はでなくなる模様。

Away3Dの座標系

Kashiwasato.com for iPad

お仕事で佐藤可士和さんのポートフォリオアプリを作成しました。タッチ&スワイプでkashiwasato.comがサクサク見れるアプリに仕上がってます。iPadお持ちの方はゼヒ。
ダウンロードはこちらから。

Art Direction: Yugo Nakamura
Design / Programming: Naoki Nishimura

今回は初のObjective-Cでいろいろ勉強になりました。AppleのCocoaTouchのコンポーネント群は素晴らしいですね。

アプリ完成までのお勉強リソースはこっちにメモ
開発中にハマったとこはこっちにメモ

あとこのアプリ、Appleの審査ガイドライン 2.12項に引っかかりリジェクトされてしまい、リリースまで色々と交渉を続けたものの、結果的に半年ほどペンディングされてしまいました。

2.12
Apps that are not very useful or do not provide any lasting entertainment value may be rejected
(2010年9月公開)

アプリのリジェクトに申立てをするためのApp Review Boardという窓口があり、審査担当者と直接やり取りができます。
この窓口から担当者とやり取りをしていたのですが、この交渉中に2.12項がアップデートされ「are simply web sites bundled as apps,」の一文が追加されてしまいました。

2.12
Apps that are not very useful, are simply web sites bundled as apps, or do not provide any lasting entertainment value may be rejected
(2012年4月改定)

このアプリはkashiwasato.comで使用している画像やjsonを起動時に読み込んでいるので、そのへんの仕組みが、simply web sites bundled as apps(既存のウェブサイトをアプリでラップしただけ)に見えてNGだったようです。
今後は既存のウェブサイトのリソースを使いまわしただけのアプリは難しいのかもしれません。担当者いわく、アプリ内にリソースを持っておき、オフラインでも使用できればよいとも言われましたが実際のところどうなのかわかりません。