「衝動保存の法則」というものを考えた

最近あれやこれやと規制をかけたがる世の中の傾向を見ていて「衝動保存の法則」というものを考えた。

どういう事かというと、人間が行動を起こそうとした時、もし何かに阻止されてしまってもその衝動はそのまま残るという話。

例えば、ケンカ三昧の学生がいたとして、彼にケンカをするなと言って禁止をするだけではその行動を起こすに至った衝動は行き場をなくし、また別の同種の行動を引き起こそうとしてしまう。
衝動保存というのはこのケンカをしようとした衝動は保存され、また他の素行を引き起こすということ。

このことから何かルールなどで人の行動に制限を加える場合、ただ行動を制限するだけではなく、その行為を引き起こした衝動を別の方向に向けて発散させてあげる必要があると言える。
さっきの例の場合、ケンカ少年のケンカを禁止するだけではなく、ケンカに向けている衝動をボクシングや格闘技などに向けてあげる等が考えられる。
これはあまりにも安直すぎるけども、その行動を観察しどんな衝動が起こっているのかは十分に分析する必要はある。

つまりあれをするな、これをするなというだけでは人は反発するので、その代替案を提案してあげれば自発的に動いてくれるのではないかという話。

この事を視点を変えて考えてみると、何か人を動かす企画を考える時にその企画が引き起こす行為が何の代替案になるのかと考えてみる。こうすれば成否の判断がしやすくなるのではないかと思う。
当然のことながら注意しなくてはいけないのは、元の行動を比較して代替案の方が何かしらのパフォーマンスが良くないといけない。例えば元の行動よりもリスクが少ないとか、リターンが大きいとか。

無尽蔵に選択肢の多くなった現代において人をゼロから動かす事はかなり困難なので、こういったところから考えていった方が意外と近道ではないだろうかと思う今日この頃。