好き嫌いだけで作品を見ていても自分の好みがわかるだけであまり学習にならないと思う。
作品鑑賞を自分の製作に活かすためには、製作のプロセス単位まで分解して、その過程で何が行われたのかまで掘り下げるべきじゃないだろうか。
そこで、以下のような分析の視点を考えてみた。
- その作品が解決しようとしている課題は何か?
- その課題を解決するためのアイデアは何か?
- そのアイデアをどのような方法で表現しているか?
1はその作品の作られた目的かな。何のためにそれが作られたのか。
例えば広告ならどういう対象に何を宣伝するためのものなのかとか、プロダクトだったら何をどう便利に、快適にするものなのかとか。
2は1の課題を解決するためにどんな方法を使っているか。
これは目的よりだったり、表現よりだったりもするので少しわかりにくいこともある。
例えばある課題があってその課題を解決しようとする事自体が新しい発想だったりもするし、課題解決のアプローチ自体は目新しい方法ではなくても、表現的に新しい技術を使うこともアイデアと考えられる。
3は一番表面的でわかりやすい。要するにどんな表現を使っているかってこと。ただ、製作者の意図してるであろう範囲内で媒体や配置場所など、作品の周辺環境との関係の作り方も考慮に入れる。
これらは仮説でいい。合ってようが間違ってようがあまり気にすることはない。あくまで考えることが大事だから。しかし仮説を検証することも大事。
どうも自分の周りでは3の表現にだけ着目して良し悪しを論じる風潮があるからこんな事を書いてみた。
グラフィックって分野に限って言うと、美術館のポスター作ることもありゃスーパーのチラシを作らないといけないかもしれない。だからポスター作品の良さと、スーパーのチラシの良さを両方判断できないといけないと思う。
世の中美しいものが溢れかえっているけど、もう少し地味なものにも感動していこうぜって話。
いや、これ自戒も含めて。