GRAPH PRESS

去年の冬あたりから進めていた企画が一段落したのでいったん記録の意味で書き残しとく。

GRAPH PRESS



 

 

概要

多摩美術大学のグラフィックデザイン学科の関係者に対象を絞ったニッチなフリーペーパーを制作しました。
内容は生徒、職員、教授関わらず、当学科の関係者にインタビューし、読者にグラフィックデザイン学科の潜在性を再認識してもらおうというものです。なお、読者もインタビュー対象者もクリエイターである事が前提になっているため、作品を通したコミュニケーションも可能だと考え、文章と同等に図版にも重点を置いて構成しています。

経緯

以前より自分の所属しているグラフィックデザイン学科の環境に閉塞感を感じていました。しかし学校組織に介入するというような手段は学生にとって現実的ではありません。そこでグラフィックデザインを学んでいる身として出来る事はないだろうかと考えた末、雑誌という媒体を使い、組織の中心である学生を刺激する情報を流すことを思いつきました。
中心に刺激を与えれば良くも悪くも周辺の環境も変化を起こすだろうと予想したからです。そしてその刺激には、ライバルや先輩が頑張っている姿や痕跡が最適であろうと考え、まるでプロが受けているようなインタビューの形を模して仰々しくスポットを当てる事にしました。

結果

まだ2冊しか発行しておらず、この雑誌自体の目的も短期的に達成される類のものではないため、まだ目に見える効果は出てきていませんが、この雑誌自体が日常の話題に挙がり、意識され始めている状況から、徐々に変化の下地が出来つつあるように感じています。しかし、この下地にどのようにメッセージを乗せていくのか、その手段や方法はまだまだ改善の余地があり、検討していかなければいけません。

学習

この企画を遂行するにあたり、多数の冊子を発行する事が必要だったため、個人でまかなえない程のコストがかかり、その為にいくつかの企業に出資をお願いし、スポンサーとして協力していただきました。
この過程において普段の自主制作とは違い、自分達の作ろうとしている物の社会的な価値をシビアに考えなければいけませんでした。これにより今まで自分がいかにリアリティのない制作をしていたかを思い知りました。

GRAPH PRESS
http://graph-press.com/

発行人/編集長
 西村斉輝

制作/編集
 永楽壮尚
 大鷲一真
 加瀬梓
 坂本彩海
 佐々木那保子
 関根優子
 橋本明花
 樋口裕二
 藤本真央
 山口言悟